Nonbite's Fly Fishing Tale

フライフィッシングのページ

≪vol.163≫ From reading

2011 年3月13日


「失敗学のすすめ」(畑村洋太郎 講談社)を現在読書中だが、タイムリーなネタがあったので紹介する

「失敗情報は、人から人へ伝わる中で減衰していく」

三陸海岸は、津波被害を受けやすいリアス式海岸であり、その沖には日本海溝があり、幾度と無く津波の被害を受けてきた。
町には津波の石碑が数多く存在する。
大津波が押し寄せるごとに作られたもので、犠牲者の多かった古い時代の石碑は慰霊を目的にしていた。その中には教訓的な意味合いが込められたものも多く存在している。
波がやってきた高さの場所に建てられ、「ここより下には家を建てるな」という類の言葉も帰された石碑も少なくない。

しかし、この石碑の下に数多くの家が建てられている。
日々の便利さの前ではどんなに貴重な教訓も役に立っていない一例として紹介されていた。

失敗情報は、短期間のうちに忘れ去られ、再び同じ失敗を繰り返すことは稀ではありません。
この失敗情報が伝達されるいくなかで減衰していくということを肝に命じ、今後我々は、教訓を活かす努力をしていかなければなりません。

今回の津波だけではなく、人類は多くの失敗を繰り返しています。(二度の大戦や現在も世界のどこかで戦闘が行われています)

失敗の経験を活かすということを個人レベルだけでなく、もっと大きなレベルで行う必要があるでしょう

フライでも同じです。
毎回、ティペットチェックを怠り、合わせ切れをしてみたり、ラインクリーニングを怠り、ラインの滑りが悪かったり、合わせのタイミングがいつも早すぎたりと。


失敗を活かすという大命題。

深く深く考えさせられます。


今回の地震、津波で被害に合われた方のただただ無事を祈るばかりです。

追記

後半まで読み進めると、三陸海岸地域の防災意識は高く、過去の教訓を活かすべく、地域社会を上げて津波訓練が行われており、
危険地域に住みつつも、津波対策を万全にする努力をされているそうです。津波対策の防波堤などがその例となります。




失敗学のすすめ

畑村 洋太郎 / 講談社

現在読書中。人生には失敗がつきもの。釣りも失敗がつきもの。如何に次につなげるかをまなんでいます。